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2007年9月12日 (水)

07.06.01 ハワイへ4

5時に目覚め、730分に顔を洗う。海は白波が立ち、少し荒れ模様。船は、184ノットだから、少し抑え目だ。進路は変わらず、直線で北上。空は、青霞のように、うっすらと眠い。

『風が強くなっております。北緯8°02′、西経156°43′、進路は9°。ハワイへ1200kの位置にいます。速力18.5ノット、時速34k、天候は晴れ、東北東の風15m、右横の風ですので、デッキへの出入りで指を挟まれないように気をつけてください。気温265℃、水温275℃、波の高さ約2m。北東の貿易風が吹き荒れています。

明日の夜、21時前後、キラウエア火山の近くで溶岩流が見られるかと思われますが、ラハイナへの入港時刻を考えますと、短い時間しか留まれないかと思います。ラハイナの天候は。晴れ、気温31℃』

 

「指を挟まれないように気をつけてください」は、03年次の大西洋横断の荒れた海を思い出す。自室の洗面所で背中のドアがいきなり開いた。きっちり閉めていなかった。軽い気持ちでドアの取っ手に手をかけたときだった。生き物のようにドアが噛みついてきたのだ。不意を喰らって大声を上げてしまった。切られたかと思うほどに痛みが手全体に来た。見事に右手の親指は紫色になり、指の肉は衝撃で凹んでいた。この痛さで暴れ馬のような大西洋の怖さを知った。木造船でピュリタンが新大陸を目指した時代の苦難を想うにぞっとしたものだ。尤も、06年次の大西洋横断は余りにも拍子抜けの平穏な波浪だった。さらにクルーズのベテランになると、揺れない船なんて乗っていて面白くないわよと笑われる。その彼女が今回は乗船している。横浜の元女医さんである。

 

Img_1606 その波が荒いデッキにレギュラーは全員集まった。先攻白の松田、工藤、鬼界、塩野+αに対して、赤は高嵜、菅谷、萩原、草浦、松田サエ子。αというのは、不足した人数を補うために、順番を交互に替わるのだ。

鬼界さんが3番ホールで、松田さんが4番ホールで留まっていたので、工藤さん、塩野さんの二人に菅谷、草浦、萩原が囲まれて集中攻撃を受け遅れてしまう。終盤ホームの周りは、菅谷・萩原の二人に対して白は誰もゴールしないまま、工藤、塩野、松田、αが残っていた。だが、多勢に無勢。フレームアウトを繰り返している間に連続ゴールされ、負けた。工藤さん、草浦さんの二人から早くもホールイン・ワインが出た。

 

メールをチェックしたが、ヒートアップしてくれるなと心配の忠告メールが1本入っていた。次男は、日本から直接電話をしてきた。然し、まだ出産したわけではなかった。竹の塚のご両親も、上野にいる義妹も、この若い夫婦のために一日おきにカッパ橋のマンションに顔を出し、面倒を見てくれているようで、日本を離れている我々には、有り難くもあり、申し訳なくもある。

ようやくNHKTVが観られるようになった。九州は梅雨に入ったという。熱海に住んでいたらしい石立鉄男が死去。享年64歳だった。

 

昼食は、松田夫妻、高嵜夫妻と横並びに座った。食事が終わったのを見計らって「鬼界さんハワイ下船送別会」を検討し、63日、ラハイナ寄港の夕食時とした。19名の同席を平チーフマネージャー、浜畑サブマネに僕が頼みに動く。快く了解を得ることが出来た。懸案事項が終わったので、その勢いで、席を回って午後のデッキゴルフ有志を募った。

1530分から、高嵜、松田、塩野、草浦、菅谷そして鬼界と揃った。

_1591先攻白に高嵜、松田、塩野。赤が草浦、鬼界、菅谷、萩原の組み合わせ。ゲーム展開は、我々の草浦さんがダントツで4番ホールを抜けた。ところが5番ホールに向かう同じ進路で、2番ホールに進む敵から集中攻撃を受けてしまう。権利玉で自由に暴れるタイミングが狂う。高嵜さんはホールワインをしたものの、鬼界さんが巧く抜けて先にゴールを奪う。草浦さんがホームをクリアし、僕も高嵜さんを場外に押し出してゴールをした。勝負は、高嵜対菅谷、草浦の戦いに委ねた。高嵜さんが1回休みになっている間にホームを落とせれば勝ちだ。

 

「左舷にイルカの群れが見えます!」デッキのスピーカーから突然アナウンスが流れた。息詰まるところで、ゲームは中断した。高木保彦さんがカメラ片手に後部デッキに走り込んできた。左舷側に急いだ。水しぶきが上がる方向を見つめた。時折、小さなイルカらしきものが波間すれすれで飛び出している。ジャンプ力が足りないのか、まだ幼いように思える。カメラを構えたものの、後部デッキでは遠ざかる一方だ。人が諦めて立ち去る。ゲーム再開だ。

草浦さんが慎重にホームを狙い、上がった。高嵜さんは、場内に戻っただけ。続いて菅谷さんも巧く外枠にシュートした。もう1度、横打ちしてゴール!勝った。日射しの弱まった夕方は、波の高さを除けば、快適なゲームタイムだった。

 

撮り逃がしたイルカだが、平野カメラマンが自分の撮った写真を再生して見せてくれた。背びれはあるが、カジキマグロのようでもある。それにしても、アナウンスのタイミングが遅いというのが、後部デッキにカメラを手にして集まった船客の不満だった。今回クルーズは、時期的にも海洋動物が北上していて、なかなか現れないことをはっきり言うべきではないか。妙な期待を持たせすぎていないか。

 

カミサンはフラの教室から帰っていた。因みに、本日のイベントを挙げてみよう。ソシアルダンス教室、エンジンルーム見学、水彩画教室、フィットネス・エクササイズ、囲碁教室、ハーモニカ愛好会の集い、ウクレレ教室、デッキゴルフ教室、アートクラフト教室、アフタヌーン・シアター、デジカメ教室

僕は二度目のシャワーを浴びた。今夜は「赤道祭り」だから、ドルフィン・ホールでのメインショーはないものと思い込んでいたが、6階のラウンジ「海」で、ネオ・ストリングスの演奏があるという。誰のことだろうとエンターテイナーの出演ガイドを見る。載っていたのは須磨和声カルテットだった。汗をひかせる時間が欲しい。もう時間に間に合わない。諦めた。

明日の対抗戦は、スタッフの都合で4人揃わない、3人の参戦しかできないという電話連絡が来た。8人ではなく6人のプレイだと、敵味方のパックがリンクに散漫になるため、勝つには余程の戦術を要する。日本式捕鯨船団か、それとも、米国式先攻ロケットか。まあ、キラー・コンドル菅谷リーダーのお手並み拝見としよう。

 

夕食は特選和食である。因みに、メニューを書いておこう。

Img_1672前菜:さざえの壺焼き。鍋:豚トロしゃぶしゃぶ、造り:鮑の殻造り、焼き物:鮎の姿焼き、蒸し物:松茸茶碗蒸し、小鉢:数の子、香の物:白菜のおくらぬか漬け、つぼ漬け、胡瓜の韓国風漬け、ご飯:松茸ご飯、デザート:ライチ、キウイと錬り切りあやめ、飲み物:日本茶。

トンしゃぶに、若鮎の塩焼きが出ていた。鮎は、空輸してきたのだろうか?「鮎は、本日が解禁日だぞ!?」隣席の小田さんから疑問が投げかけられた。そう言えば、オスロか北海の洋上で「鱧(はも)」料理が出てきたのにも驚かされた。鰻だって空輸しているに違いない。早速、鮎の疑問を平さんに投げた。

「いああ、みんな日本から積んできています。野菜や果物、卵、ヨーグルトなどは現地調達が容易でも、魚や肉、日本独特の食材の大葉などの多くは、仕入れが時間的に不安定では自慢の献立に影響しますので、冷凍をしてでも積んでいますよ、ウチの料理は。料理部門も自社ですからね」と得意げに話してくれた。これで、疑問は一掃された。

 

P1020162 2115分、今は船の後部が一番重いはずだ。ドルフィン・ホールに360余名全員が押しかけている。初めてが一堂に会しているようなものだ。夏のジャケットを着込んだが、ホールは暑いくらいだった。2階席から観るという開放感、この吹き抜けの高い天井ホールを有するのも、にっぽん丸の自慢と言えるのではないか。既に同じシナリオで、にっぽん丸の船客出演の「赤道祭」寸劇を観るのは3回目になる。2回の世界一周クルーズとの演出の違いは果たしてあるだろうかに関心がある。出演者は素人である。スタッフの出演は別として、宦官役の冨田さんを除けば、船客は初めての役だ。プロンプターが居ながらトチルのが、観客の爆笑を誘う。十八番の役をこなす冨田さんでも、石橋演出は本番でのアドリブを許さないそうだ。 理由は、終了時間の厳守が あるからだという。 菅井さんが 先鞭を付けた06年の 講釈 師役が今回も継承された。乙姫様の見事な歌が口パクなのも同じ。違いは、北海王と南海王の登場に、初めて歌舞伎の布波を採り入れたことだった。 そして、1年前よりも調整卓には、新機能が加わったような気がする。それほどにミクサーの腕が上がった。

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リピーターが80%の観客では、石橋演出もさぞ、難しかっただろう。フラダンスをステージに誘い込む役に進行上、蘇君を起用したのが唐突であるなと想った他、今回もキャスティングは当を得ていたと思う。船客の全員が観に来てくれているという空気は、出演者冥利に尽きるのではなかろうか。出演者の殆どは、明日から船内の人気者になる。そして、役名で親しく呼 ばれることになるのが、毎回である。海の神から赤道通過の鍵を受け取って、これで、ようやく現代のラピタ人も無事にハワイ島へ着けるというものだ。

 

今夜は何処のバーも素人演劇の出来映えに褒め言葉やねぎらい言葉で相当に姦しい夜になるだろう。

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